ブラックジャックとピノコに見る父性

ブラックジャック

ブラックジャックは、バラバラで生まれてきたピノコをなんとか人間の容器に入れ、
この一連のくだりはエクソシスト(ピノコは当初超能力を使って手術を妨害するなどした)というか、
マッドサイエンティストが人口生命体をつくるかのごとくとれる、とんでもない描写なのだが、
少年マンガに連載されていたため、違和感はあまり感じなかった。

本間先生によってバラバラになった肉体を再生してもらったという自分自身の姿にも重なったのかもしれないが、どうしてこんなにしてまで、ピノコにブラックジャックは入れ込んだのだろう? と思ったよ。

その後ピノコは「ちぇんちぇい」を困らせたり、はたまたBJ唯一人の助手として活躍したりする。
BJは最初のピノコを作った時に、なぜ、双子の姉と似せずに、小さな子供にしたのだろう。
臓器が未発達で大きな容器(人型)には入らなかったのかもしれない。

ただ、BJの外科技術を使えば、いかようにでも美人につくれたでしょうに?

BJは子供がほしかったのだろうか?

作中では確かにほぼ娘のように扱われるなか、ピノコ自身は「奥たん」や「レレイ(レディ)」と大人びっている。
赤の他人であるがBJがいなければ、ピノコはこの世に身体をもって出てくる事ができなかったと考えると、育ての親であり命の恩人=お父さんのようなものでもある。

泳がせてやろう、と人工皮膚で浮かぶ事ができないピノコのために塩分濃度が高いプールを用意し、
数分だけピノコに水と戯れる楽しみを与えるという下りがある。
BJの財力をすればプールなど朝飯前だし、ピノコが大学受験するというエピソードでもお金で解決するという、お父さんっぷりがなんとも言えないなと…。

そして、BJの前に八頭身の美女となって「どう?」とせまるピノコに対し、
好意(いや完全に愛意である)をほのめかす発言をしている連載もかなり後半にこの印象的なストーリーがある。

これは結果としてBJの夢落ちなのだが、まさにBJの「決してかなわぬ夢」、いや、「かなえることのない夢」だったのかもしれない。

一見、冷酷無比と思われるが、医師としての命に捧げる情熱はおそらく誰にも負けないBJが、
娘として、いや、ともすれば妻としても認めるピノコの存在はほほえましくも涙ぐましい。

と思いました。

ちなみにブラックジャックのオリジナル単行本を見ていると、
最初は「恐怖コミックス」というカテゴリーだったが、
途中から「ヒューマンコミックス」に変わっている。

 

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About Ryosuke Yamaguchi

いつも次を考えているmaltimanこと山口良介です。maltimanというHNでネットには昔からいます。ホントノ株式会社の代表をはじめ、野良IT、みどりの鳥、みどりーむネクスト、などいろいろやっています。

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